綴り

2023年06月05日

植栽で心がけていること

投稿者: 松本 友香里

読書時間:2分

こんにちは。

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会長が以前造った盆庭が緑爛漫になっています。終わった花もあるのですが、季節の山野草が仕込まれているので、まだまだこれからこの小さな庭を楽しめそうです。石、苔、植栽の配置はお庭の大小にかかわらずバランス感覚は同じだと思います。小さな空間でも大きな空間でも会長のお庭づくりからは学ぶところが沢山ありますね。目から吸収できるものは無限です。

 

近江庭園の植栽

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先日とある現場の植栽をさせて頂きました。玄関アプローチの部分に植栽スペースを設けてポーチと玄関に彩りを添えていきます。こちらの植栽スペースは決して大きくはないのですが、樹形は慎重に選び、配植をする際にはどれだけ自然の姿を映し出せるかというポイントが重要だと私は思っています。

自然に生えている樹木は本来、日の光を求めてそれぞれの葉が重ならぬよう山や森の中で競争をしながら生きています。杉林のようなものとはまた別ですが、落葉樹の森や雑木林などはそれぞれ樹木に階層があり、樹高の高低が重ならぬように上手にそれぞれの階層で日の光を求めて多様な種類の植物が生えているのです。杉林のような単一の木が生えている単相林とは異なり、こういった階層ごとに分かれた構造は複相林といいます。複相林は多様な植物と豊かな自然環境が生まれさまざまな樹木が共存しています。

近江庭園の植栽では、あまり同一の高さの木を同じ向きで植えるということをいたしません。生垣や目隠しの用途は別ですが、こういった小さな空間でも植物の自然な生え方を映し出せたらと思いながら植栽をしているからです。森に生えている木と全く同じ樹種のものを使っている訳ではないですが、大きな木の下にはその木の下にも生えている子がいる、その形が豊かな複相林のような自然の形を表しています。

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過去のお庭づくりでも植栽はなるべく多様で自然な形の樹形をした樹木を選び植栽をしています。建築と調和する自然の姿を模索しながら植栽をしていくのはとても大切にしていることです。今回玄関ポーチ前にさせて頂いた植栽も、小さな空間ではありましたが、高低差がつき自然な姿と造形的な躍動感や柔らかさが出ていると思います。

奇抜さやその木1本の美しさではなく、自然の姿はどんな姿だろうかと想像しながら植栽できるように心がけていきたいと思っています。きっと私以外のスタッフにはそれぞれの美意識があるのでまたそれも違う魅力があり面白いと思うのですが、今回は私の所感を綴ってみました。私たちのお庭づくりが少しでもお伝えできれば嬉しいです。

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