綴り

2022年07月29日

瓦を再利用

投稿者: 松本 友香里

読書時間:2分

こんにちは。

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萩の花が咲いています。秋の七草として知られる萩ですが、こんなに暑い時期からも咲いているんですよ。真夏は花数が少なくなり、9月頃に満開になっていきます。他の秋の七草のキキョウやナデシコも今時期に咲いていますし、今の「秋」の感覚が昔の人とは違っていて面白いと思います。昔はこの季節もそんなに暑くなかったのかもしれませんね。

 

素材に再び活躍の場を

先日完成した現場では、不要になった瓦を再利用してモニュメントをつくりました。最近の建築では瓦葺の屋根は少なくなり、維持管理の観点から昔の家もリフォームの際に瓦を使用するのをやめてしまうことが多いです。そうしたところでは瓦が不要になってしまいただ処分するものになってしまいます。

近江庭園ではそうした瓦を古材としてお庭の意匠として使用することがあります。今回のお客様は瓦でフェンスをつくってほしいというご依頼から始まったご縁でした。

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瓦を規則正しく並べ、美しい模様を描いています。青海波を思わせるような波のイメージが思い浮かびますね。

お施主様は過去に近江庭園がこのモニュメントをしているのを施工事例を調べてご連絡くださり、自分のお庭にもこれが欲しいと言ってくださいました。古瓦もお施主様が用意してくださったものを使用してほとんどがつくられています。石や瓦など硬質な雰囲気が好きなお施主様のお好みに合わせて石や砂利の色味も黒や灰色で統一した仕上がりになっています。

今まで使われていた土留めのブロックは川石を使用した崩れ積みに積み直し、玄関ポーチは黒い板石に貼り換え、昔の和のお庭の雰囲気を復元しているようなイメージで施工させて頂きました。

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お施主様のこだわりの瓦のモニュメントはとても美しく施工することができました。瓦自体は古材なので錆が付いていたり所々欠けていたりするものもあったのですが、それが味になって渋い雰囲気が出ています。古い材を使えないからと処分してしまうのではなく、こうして新しく活躍の場を設けて再利用していくという試みはこれからのエコな時代へ向けても大切なことだと思います。新しいものには新しいものの良さがあり、古いものにも古いものの良さがあります。使う場所や用途を考えて、これからも古い材も取り入れつつ、良い空間をつくっていけたら良いですよね。

お施主様もとても気に入ってくださり、花壇にも早速植物が入っておりました。こうしてお施主様に愛される空間づくりをこれからも心がけ、環境や未来に配慮した新しい造園の形を模索していけたらと思います。

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