綴り

2022年04月04日

桜と一生

投稿者: 松本 友香里

読書時間:2分

こんにちは。

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ミズキの葉が綺麗に開いていました。青々した若葉は本当に目に優しく、瑞々しい感覚を与えてくれます。ミズキだけではなく、他の植物も次第に葉が開いてくるので、これからの季節が楽しみです。落葉樹に緑が戻ってくると、お庭も一段と賑やかになってくることでしょう。今年もお庭仕事に精が出ます。

 

ダミアン・ハースト‐桜‐

先週は所用で実家の埼玉県に帰省しておりました。諸々のことを済ませた後は空いた時間に「ダミアン・ハースト 桜」展を見に行ってきました。久しぶりに訪れた国立新美術館のガラスからは満開の桜並木が見え、なんとも美しい光景がそこにありました。

これから見る「桜」にも期待が高まります。

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イギリスを代表する現代アーティストのダミアン・ハーストが手掛けた「桜」シリーズ107点のうち、24点が来日し展示されていました。「桜という作品は美と生と死についての作品だ。それらは極端で、どこか野暮ったい。」ハーストはこのシリーズをそう語っていました。不規則に並んだドットの油絵具は分厚い筆致で、所々は絵の具をカンバスに投げつけたようにも描かれています。

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真っ白で天井の高い展示室に並んでいる作品の巨大さに圧倒され、桜の自然な力強さに見入ってしまいました。それぞれの作品には「祝祭の桜」「夏の桜」などタイトルがあり、全て微妙にニュアンスが異なります。自然界にある樹木と同じように一つとして同じ桜はありません。非常に抽象的に描かれているのですが、それが何とも自然に感じます。

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桜の持つ、咲いてから散るまでの時間は、他の植物には類を見ない儚さがあります。ハーストの言う「美と生と死」というキーワードは桜が全て体現しているのでしょう。日本人が桜の花を見て少し感傷的な気分になるのは、そういった刹那的な散り方をする花を人の一生になぞらえ見るからなんですね。

私たちはそういった感性を養いながら、自分たちも植物の一生と向き合わなくてはなりません。沢山の感傷を得たら、それを活かして人の心が動く空間づくりが出来るようになりたいものです。

※展示作品は撮影OKのものです。

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