こんにちは。
気づけばもう師走も中盤、冬の空はしんと凍えて、手が悴む寒さです。
冬は空気が澄んで星も綺麗に見えますよね。冬の星座といえばオリオン座。和名では鼓星(つづみぼし)と名づけられています。たしかに鼓のような形をしています。昔の人は静かな冬の空に大きな鼓の音を聞いたのでしょうか。忙しない師走も少しだけ夜空を眺めてそんなことを思います。
苔が生えてきた
忙しない12月に少し閑話休題的な話を。いまだ綺麗に紅葉しているドウダンツツジが残る近江庭園のサロン庭。2年前に事務所の改修工事を行い、その際に新しくこのお庭はつくられました。元々あったドウダンツツジやアセビ、ヤブツバキ、カシの生垣などはそのまま残し、新たに蹲をつくり景を一新しました。
樹木などはそのまま残すことができたのですが、足元の苔は足場を建てていたことや工事で歩いていたことが関係して一時なくなってしまいました。自然に苔生していたお庭は一時土が剝き出しの状態で、なんとか元に戻らないものかと思いながら長期で休みに入りました。すると、先日復職した際にお庭に少し苔が戻っていることに気が付きました。
僅かですが環境に適応した地苔が飛石や縁石の周りに生えてきており、少しずつ地面の緑も回復しているようでした。日照や露の当たり具合などが丁度良い部分から徐々に戻ってきており、これから数年かけてまた緑生してくるのかと思うと自然の力は素直で強いと言う他ありません。その力を増幅させるように私たちも木陰をつくり、水をやり、管理をしていくことでより美しい空間ができあがるのだと思います。
耕作放棄地が一瞬で草だらけになってしまうのも、人の住まない空き家がすぐに緑だらけになってしまうのも、植物本来の力が人間を上回るのなどあっという間だなと感じて自然の力に感服してしまいます。今回近江庭園のサロン庭でも苔が元にあったように回復しようとしているのを見て改めて力強さを感じた次第です。自然の力と人間の力が双方上手に重なり、苔の美しいサロン庭園になるようにできれば素晴らしいと感じます。いつか京都の西芳寺苔寺のように、近江庭園も長い年月を経て立派なサロン苔庭が出来れば良いですよね。
植物・庭と人の暮らしを繋ぐのが造園屋の仕事だと思っていますが、私たちはもっと自然の力に任せて、ある意味放任で植物のあるがままに任せる忍耐力というのも身につけなければならないのかもしれません。それが自然と人の力の上手な重なりのひとつだと思います。
そんなことで最近感じた小話を少し書いてみましたが、小話なんかをしている暇もないくらい現実は忙しなく過ぎていきます。無事に年が越せるのか…。年末進行にひやひや恐々しながらも一歩一歩進めていくしかありません。それでは。
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