綴り

2023年02月20日

京都らしい化粧

投稿者: 松本 友香里

読書時間:2分

こんにちは。

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ドウダンツツジの新芽がまるで蠟燭のようで可愛らしいですね。この芽が開くのはもう少し先になることかと思いますが、他の樹木もどんどん新芽やつぼみの準備をしており、鮮やかな春の訪れの前触れを感じます。先週の滋賀県は寒い日が続き一日中雪が降っている日もありましたが、これが最後の厳しい寒さかなとスタッフ同士で話しております。春が待ち遠しいですね。

 

犬矢来をつくる

みなさまは犬矢来(いぬやらい)というものをご存知でしょうか?犬矢来とは京都の町屋の街並みなどでよくみられる軒下の防護柵のようなものです。元々は犬がおしっこをするのを防ぐように設置され始めたという由来があります。おしっこ除けではあるのですが、家の壁を道路の泥跳ねや雨から守る役割もあり、昔から重宝されているものなのです。

今回私たちもある工事現場からの依頼を受け犬矢来を作製することになりました。本来のおしっこ除けの用途ではありませんが、壁に走る配管を隠すための化粧として使用します。

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下地に組んだ型は配管を避けるために少し複雑な形状をしています。正面から見ると晒竹の美しい面が滑らかに出ていて綺麗ですね。犬矢来は汚れを防ぐほか、この滑らかな面が壁をよじ登りにくくし泥棒が侵入するのを防ぐこともできるのだそう。見た目の美しさと機能性が備わった京都人の知恵だったのですね。

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犬矢来の側面もきちんど竹を使い隠していきます。カーブの形状に合わせて竹を切っていくのは意外と難しく繊細な作業です。カーブにぴったりと沿った竹がきれいですね。整列した真鍮釘も切り揃えられた天端もとても綺麗にできています。あとは実際に設置してみて調整の必要な部分は現場で調整していきます。設置されたところもまた今度ご紹介できればと思っておりますのでどうぞお楽しみに。

今回は京都らしい犬矢来の施工についてご紹介いたしましたが、京都の町屋にはまだまだたくさんの意匠的な美しい仕上がりが沢山あります。それらを私たちの手で再びつくることができるのはとても意義があり、面白い経験になると感じています。配管を隠すことひとつをとってもこのような仕上げができるので皆様も是非この犬矢来がどんな場所にあるのか探してみてくださいね。

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