綴り

石積みの見せ所

作成者: 松本 友香里|2022年10月09日

こんにちは。

私の通っている茶道の稽古場の近くでは高砂芙蓉(タカサゴフヨウ)が咲き乱れて歩道を賑やかにしていました。今の季節に最盛期を迎え、フヨウやムクゲよりも小ぶりな花が可愛らしいですね。先日はお稽古でも生けられていて、季節が刻々と移り変わっていくのを感じます。

 

元々の景観を生かして

こちらは京都の北の方に位置するとある場所、今私たちはこのお庭に大きな石積みをしています。元々この写真の奥にも写っている崩れ積みを積み直し、敷地を整えていきます。山の麓にある建物ですので傾斜地の敷地の段差を石積みで区分けしています。

位置出しをして丁張りをしたら石材を運搬し積む工程に移りますが、このように大きな石を積んでいくのはとても大変な作業です。重機を使用して慎重に行っていきます。

天候も雨降りが続き、作業が思うように進まない中、スタッフたちは話し合いを重ね着実に作業をしていきます。今週は石をどんどん積み完成まで持っていかなければならないので、よりスタッフたちの気は引き締まります。

こういった土留めや土地の段差の部分はコンクリートや間知石などで壁を造ってしまうことが多いのですが、元々あった崩れ積みの景色を活かそうとしてくださったお施主様の思いを大切にして最後まで作業に取り組みたいと思います。石積みの得意な近江庭園としてしっかりとした石積みの見せ場ができる現場にしていきたいですね。