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風格が香る庭 U邸

山口県山口市 - 2013年
© OOMI TEIEN
石積みと石畳が迎える重厚な玄関
古材を組み合わせた大胆な玄関周りと天端をあえて斜めにした瀟洒な石積みがお出迎え
門を入ってから玄関までの道は家の顔です。古御影石と自然石をふんだんに使用した玄関アプローチは品があり重厚感が漂います。塗壁に沿うように積まれた石積みはあえて天端が斜めに施工されており、硬すぎず遊びの柔らかさも感じられる仕上がりになりました。
飛石と景石が庭を繋ぐ
リズム良く打たれた飛石と風格を感じる景石の織り成す風景
玄関横の塀の隙間を縫うように打たれた飛石と苔の広がるお庭は石畳で設えた玄関周りとは異なる雰囲気をつくりだします。飛石を伝い歩くと植栽の隙間を縫って進む感覚があり、木々や植物に囲まれている一体感を感じることができるでしょう。植栽されている木々たちはどれも一癖ある樹形をしており特にアカマツは幹の線が険しい山中を思い起こさせるようなフォルムをしています。
雄大な山河を彷彿とさせる主庭
大きな橋に見立てた石と巧みに配植された樹木が大きな風景をつくる
険しい山肌を表したような大きな景石を配し、その庭の中心には橋を架け、まるで山河を表現しているような仕上がりです。多く配植されたアカマツも山で風雨にさらされ育った一風変わった形のものが使われています。私たちは素直で真っすぐな木ばかりではなく、この木の育ってきた背景が語られるような姿をしているものを選び植栽します。
橋から臨む堅牢な石積み
山の風景と職人の手業から生まれた石積みが生む景の妙
石橋の脇に目をやると、曲線の美しい城積みとそれに控える石積みが目に入ります。お庭の空間を区切るための役割も果たしており、石積みの先にもまだ空間が続いているような気配が感じられます。玄関の遊びのある石積みとは対照的に、堅実で硬派な石積みですが、同じ石材を使用したことで空間どうしが繋がりを持ったお庭であることが強調され、ひとつのお庭の景色に調和を生みました。
せせらぎの音と小さな野草の彩り
水の湧き出る井筒とその周囲を彩る草花たちが魅せる季節
大きな景石の中心に作られた井筒からは水が湧き出る仕組みになっています。周囲には季節を彩る山野草たちを植栽し、硬い印象のあるお庭の中に花の柔らかさを取り入れています。木々の葉掠れの音と水音の響く心地良い空間です。
室内からの眺めも重視した木や石の配置
大きな窓に映る流れるような景色の変遷
広縁がぐるりと囲む畳の部屋からは主庭とアカマツのあるお庭を眺めることができます。アカマツの植栽角度や他の木々たちの配置、景石の見え方などは家の中から細かく調整をして仕上げていきました。流れるようなアカマツの幹の線を目で追うとその先には立派な石橋のある主庭にたどり着きます。建築とお庭との調和を大切にしている私たちは家の中からの眺めも重要視し、お庭と家が共にある空間づくりを目指しています。
陰影の際立つ夜の庭
照明を効果的に取り入れた夜の風景づくり
照明を取り入れてお庭づくりをすることで昼間とは全く違った顔を見せることができます。下からの光は植物の陰影を際立たせ景色をドラマチックに見せる効果があり、壁に映る幹の曲線や葉の影が美しい夜のひとときを演出しています。照明の位置や色温度によってお庭の印象はがらりと変わるので、お施主様の意向を汲みながら細かい調整をして仕上げます。

プロジェクト詳細
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石積みと石畳が迎える重厚な玄関
飛石と景石が庭を繋ぐ
雄大な山河を彷彿とさせる主庭
橋から臨む堅牢な石積み
せせらぎの音と小さな野草の彩り
室内からの眺めも重視した木や石の配置
陰影の際立つ夜の庭
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