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温故知新を大切にする庭

京都府京都市中京区 - 2018年
© OOMI TEIEN
ぽつりと佇む灯篭のある玄関
杉皮塀と白川砂、景石、灯篭、滋味掬すべき要素たち
玄関を上がり最初に目にするのはこの坪庭です。灯篭一基と景石一石、そして南天という実にシンプルな構成です。元々お持ちだったものを使用していることとシンプルさの際立つ構成がずっと侘しさを演出しています。
装飾的な空間ではないですが、玄関の床は名栗の加工が施され、坪庭の壁は杉皮塀と足元の差し石が目立たないものの良い味を出しています。
大きな伽藍石が鎮座する苔庭
さまざまな日本庭園の意匠が交差する中庭の空間
大きな伽藍石はリビングの前に据えられ存在感を放っています。伽藍石は元々お寺などの柱の礎石として使用されていたもののことです。この石があるだけで空間の厚みが増しています。
またこの大きな灯篭は2mを超えるもので、その奥には控えめな織部灯篭もあり、日本の庭園の要素が沢山この空間に詰められています。
建仁寺垣を模した遮蔽垣の笠木には銅板が使用されていたりと細部にこだわりがあります。
苔生す庭と山野草
山苔と山野草で彩る緑の空間
山苔をはり、山野草を植栽しました。苔生した庭園と町屋を改修した建築の相性が見事です。元々植わっていたモミジの立派な幹が線の細いその他の樹木と対比され綺麗なバランスで植栽が構成されています。春にはさまざまな山野草が芽吹き、新芽も美しい空間になります。
窓の下には立派な沓脱石が据えられ空間の重みを表現し、その周りの犬走を黒い石で仕上げ庭園全体をキリっと引き締めました。
窓に映る苔庭
寛ぎの空間から眺める日本庭園の技
建築の中からは庭がよく見えます。苔、竹、石、モミジなど、この庭園内で重要な要素がこの窓に映る景色すべてに集約されているようです。縁側の窓からは庭園全体が眺められ、手前の雪見障子からは白川砂でつくられた流れを中心とした庭園の構成を見ることが出来ます。

プロジェクト詳細
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ぽつりと佇む灯篭のある玄関
大きな伽藍石が鎮座する苔庭
苔生す庭と山野草
窓に映る苔庭
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