暮らしの中心を彩る庭
東京都八王子市 - 2016年
© OOMI TEIEN
贅沢な緑に包まれて
大開口の窓に映る日本庭園
大開口の窓から見える庭園の景色は格別です。奥行を感じる流れの演出を施し、手前の岬灯籠から石橋、石鉢へと目線が移動する構成になっています。庵治石の石鉢が船のようにも見え、庭園の中に雄大な風景が表現されています。
右手前に見えるアカマツの立派な幹が奥へと続く雑木の植栽により遠近感を強めます。
浴室から見える特別な眺め
家に居ながら非日常の景色を味わう
中庭を囲むように建てられた建築は庭に面している部分は大きな窓になっており、どこからでも庭を楽しむことができます。庭も一面から見るのではなく、どの面から見ても美しい景となるように構成されており、それゆえに景石の配置や樹木の配植には緻密な調整がなされています。
木漏れ日のある中庭
巧みに配植された庭園の樹木たち
アカマツを中心として植栽された中庭は木漏れ日の柔らかい光の入る空間に仕上げています。アカマツがしっかりとした重みのある樹木であるのに対しモミジの細い枝先が揺らめく様子がとても美しい植栽になっています。下草としてシダ植物や山野草が植栽され、季節ごとの風景の移り変わりを見ることができます。
大きな景石も惜しむことなく据えられ、流れの険しい表情と植物の柔らかさが見事に調和している空間です。
雑木の木陰の下で一休み
石張りや土舗装でナチュラルに仕上げた足下と和の庭園とのコントラスト
和の雰囲気のテイストからは少し離れ、木陰で穏やかに過ごせるテラスのような場所も作庭しました。土舗装の中には小さな那智黒石でつくられたトンボが舞い、小さな遊び心が見られます。
石積みでつくられた空間の仕切りや手前に見える瓦のモニュメントは近江庭園ならではの空間を作り出す手法です。古材や自然素材を使用して、空間を区切ったり植栽のスクリーンとするためにあえて構造物をつくります。
遊び心と細かな技を忘れずに
瓦で縁取りされた舗装と那智黒石のトンボ
よく目を凝らして見てみると、舗装の縁取りは瓦でされており、花びらのようにふわりとした形を描いています。その中にはトンボを模した那智黒石の遊びがあり、足元を見ても楽しい発見があるようにしています。細かく小さなところにも気を付けて日々を楽しむ庭をつくることを忘れません。
手水鉢には花が添えられ花手水になっています。お施主様の生活に彩りを与える空間となっています。
プロジェクト詳細
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