綴り

苔の生すまで

作成者: 松本 友香里|2022年03月17日

こんにちは。

光の色が明るい季節になってきましたね。私の住む地域では重たいコートが必要なくなってきました。朝晩はまだ少しひんやりとしますが、日中は汗をかきながら仕事をする日も増え気温の変化に戸惑いながらも、麗らかな季節の訪れを嬉しく感じます。庭のアセビの木にはメジロが蜜を吸いにやってきてとても可愛らしく毎日癒されています。

苔の管理は長期戦

いつもお手入れに入っている露地では、苔のために新しくライトを導入しました。

光合成を促すためのライトで、光の届きにく場所でも苔が活動できるように補助をしてあげる役割があります。

苔は水分と日照のバランスの良いところでないと綺麗に生育しません。かといって日照を当てすぎると日焼けしてしまい苔が茶色くなってしまったり乾燥に耐えられなくなって枯れてしまいます。強い光ではなく木漏れ日のような優しい日光が必要です。こちらの露地もこれまで幾度となく苔の生育のための試行錯誤がされていましたが、もっと上手に苔を生育させることができないかと考えた結果、このライトの導入に至りました。

苔がダメになっても補植すれば良いという考え方ではなく、長い時間がかかっても自然に苔が生すような環境づくりを心掛けなければ自然に近いお庭づくりは出来ません。取って張り付けたような苔のお庭ではなく、長年が経過した風合いを作っていきたいので、植物が心地よく生きていける環境づくりを大切にしていきましょう。

新しいものばかりに価値の見出される世の中ではなく、時間の経過と共に味わいや価値が増していくことが大切だと思ってもらえるような空間を提供できるように、これからも仕事をしていけたらと思います。