こんにちは。
ケヤキが綺麗に色づいた秋です。ケヤキの並木は今黄金色に輝いて、車に乗っていながらも紅葉を楽しむことができます。秋晴れの空とのコントラストも美しいですね。肌寒い季節になってきましたが、日に当たる場所を少し歩けば体が温まり、運動をするのにも最適な季節ですね。秋は「〇〇の秋」と表されるように、さまざまなことに適した気持ちの良い季節なのでしょう。
滋賀県立美術館に行ってきた
昨年6月にリニューアルした滋賀県立美術館に行ってきました。目的はいま展示が行われている「石と植物」展を見に行くことでした。
「石と植物。どちらも私たちにとって自然で身近なものです。だからでしょう、この2つは、芸術において、重要な素材でありモチーフであり続けてきました。」この展覧会ではこの石と植物に着目し、さまざまな絵画や版画、彫刻、写真、映像など多様なジャンルの作品を展示しています。
私も日常で石と植物にはほぼ毎日触れているため、この展覧会のテーマはとても気になるものでした。さまざまなアプローチから見る「石と植物」は芸術でどのように昇華されるのか、それを確認しようと思ったのです。
ほとんどの作品は写真に収めることはできませんが、こちらの石は撮影できましたので撮ってきました。これは滋賀県の松延総司さんというアーティストの作品です。実はこの石はセメントで造られた「石のようなもの」です。屋内の空間にあるととても違和感がありますが、セメントで人為的に造られた石はやはりどこか自然のものとは隔絶しています。普段ありふれた石という存在が「石のようなもの」に変わった時に生じる意識の歪みがなんとも面白いと感じます。
おそらく、この「石のようなもの」が私たちの作る庭に現れたとしても、そこには違和感が生まれることと思います。自然と不自然の境目にある作品です。
写真には収めていませんが、他の作品もとても見応えがありました。有名な方の作品も多くイサムノグチや李禹煥(イウーファン)、ブランクーシ、など、色んなアーティストのさまざまな石と植物にまつわる作品を見ることができます。
中でも私は東加奈子さんの映像作品「Eternal Beloved」がとても鮮明に記憶にのこりました。胡蝶蘭の品種改良の現場を記録し、自然と人工の狭間にある植物を映し出しています。私たちがつくる庭も、自然であり自然とは一線引いたものでもあると私は思っているので、その映像を見ながら自然と人間はどのように向き合っていけば良いのかということを考える題材のひとつになりました。
このように、この展覧会は私の庭づくりという仕事に対してもとても刺激があり、新たな知見を広げてくれることとなりました。滋賀県にお住いの方はぜひ足を運んでみてください。
また、少し違う角度からの感想なのですが、作品のキャプションがきちんと製本された一冊の本となって渡してもらえたことにとても感動しました。無料で配布していいの?と思うような本でしたので、滋賀県立美術館に携わる方がとても作品や芸術に熱があり、それを来館者の方にも伝えたいという思いが汲み取れて勝手に感動してしまいました。私も大学時代は美術を勉強していた身として学芸員さんたちの思いに心を打たれた次第です。
と、今回はあまりお庭と関係のない話になってしまいましたが、やはり良い芸術を見ると、いろいろ思考が巡り脳が活性化される心地です。私もお庭という観点から自然や石、植物と向き合っていきたいと思います。