こんにちは。
所用で実家に帰っており、東京の桜が沢山咲いているのに驚きました。車窓から見える景色に思ったのは、日本にはちょっとの隙間にも桜の木が植わっているということ。それだけ日本人が桜という木に親しみを持っているということがよく分かりますし、住宅街の中に突然大きな桜の木が一本立派に咲き誇っているのを見ると、良い季節だなとしみじみ思います。
日本で最も古い植物園
先日平木のブログの方でも植物園のことが話題になっておりましたが、私も先日ある植物園に行っておりました。桜の季節と花の季節ということで、東京の文京区にある「小石川植物園」に行ってきました。こちらは日本最古の植物園として約320年前の貞享元年(1684)に徳川幕府が設けた「小石川御薬園」が遠い前身であり、そして明治10年、東京大学が設立された直後に附属植物園となり一般にも公開されてきました。国の名勝、史跡でもあり歴史的にもとても重要な施設です。
この日はよく澄んだ青空で、桜も満開でした。その日は花冷えということで少し肌寒くもあったのですが、桜が風にそよぐ様子はとても美しい光景です。大木がとても多く、研究や歴史的に価値のある植物が沢山ありました。それだけ、古くから日本の植物研究の一線にある植物園だということですね。
一歩園路を逸れると、都会の真ん中ということを忘れさせるような自然があり、まるで森の中のような雰囲気が楽しめます。山野草の群生している場所もあり、多様な植生を見ることが出来ました。
植物園内に位置する国の重要文化財の東京大学総合研究博物館小石川分館(現在は拝観休止中)にも足を運びました。明治9年に建築されたこの建物は、旧東京医学校の本館で、東京大学に関係する建造物では現存する最古のものです。
外観は朱色で明治時代の木造擬洋風建築です。以下のように様式は説明されています。
“数度にわたる移築、改修を経た建築ではあるが、洋風、唐風、和風の三要素の混交形式に原型の名残が残っている。建物全体の古典的な比例、中央にある塔屋と玄関間、和小屋の構造、復元組物付の丸柱、擬宝珠高欄、空調設備を入れたコア、新意匠の階段手摺などのディテールには、伝統とモダンの結託するさまを見て取ることができる。”
荘厳な出で立ちの建築が植物園の日本庭園の傍から見ることができます。園内の桜も相まってなんとも綺麗です。このような貴重な建築物は年々少なくなり、歴史的価値のあるものを徐々に目にすることが出来なくなっていくのを私はとても危惧しています。私たちが生きる今という時間は歴史と研究の積み重ねです。その積み重ねた過程の場所が無くなってしまうことは時間が失われているのと同じだと感じます。
このような場所がのちの人たちにも大切にされていってほしいので、なるべくこういった場所に足を運んでいきたいと思っています。
皆様も天気の良い日には散歩がてら足を運んでみてくださいね。