こんにちは。
秋明菊も開き始め、いよいよ草花たちは秋真っ盛りですね。朝晩は冷え込み、上着が無いと寒さを感じます。今年は夏がとても長かったので、私はこの季節を待ち遠しく思っておりました。辺りの木々も次第に葉の色が落ち着き、木によっては既に赤くなり始めているものもちらほら。秋は秋なりの美しさを楽しみつつ過ごしていければと思います。
500万本の彩りに圧倒
先週の連休に埼玉の実家に帰省しました。お盆やお彼岸に帰れなかったので今回の連休で帰省したのですが、この季節ならではの埼玉の景色を見ることができたのでご紹介いたします。
見渡す限りの赤、赤、赤。ここは巾着田(きんちゃくだ)という埼玉県日高市にある曼殊沙華(マンジュシャゲ/ヒガンバナ)の群生地です。約500万本の花がこの季節に一斉に咲き、目にも鮮やかな赤い絨毯の景色をつくりあげます。巾着田の広さは約22ヘクタール(東京ドーム5個分相当)程度あり、遊歩道を除くすべての場所で曼殊沙華が咲いている景色は圧巻です。私が訪れた時は見頃を少し過ぎており枯れてしまっているところも多かったのですが、少し褪せた色の曼殊沙華も風情があり景色を楽しむことができました。
この曼殊沙華は自然に増えていったもので、人間が人為的に植えたものではありません。この土地の形が巾着のような形をしており川に覆われていることで、川が増水した際に上流から流れてきた球根が巾着の形をした土地に流れ着き増えていったのだと言われています。
枯れている姿も十分見ごたえがあるように思いますが、見ごろの季節の真紅の花を見てしまうと少し落ち着いた風景に感じますね。
曼殊沙華(まんじゅしゃげ)というのは仏教の言葉で「天界に咲く花」という意味です。サンスクリット語ではmanjusakaと書き、花が咲くとお目出度いことが起こる兆しとされています。日本ではどうしてもお彼岸の花、毒のある花というイメージがついていますが、実は飢饉の際には球根を水にさらして毒抜きをしてから飢えを凌ぐ食料として重宝されたり、最近では白やピンクなどの園芸品種も登場しお庭に植えて楽しんだりできます。
実際この巾着田でも白い曼殊沙華がほんの数輪咲いていて、赤の中に白い花がぽつんと咲いているだけでとても神秘的な風景になっていました。急に思い立って見に行きましたが、見ごろが完全に終わる前に行けて良かったです。
このような美しい場所を見ると自然のつくりだす風景にただただ感心してしまいます。まだまだ日本や世界には沢山の知らない景色があるので、これからもひとつでも多くの美しい場所に赴いてみたいと思いました。みなさまも是非埼玉にお越しの際はこちらの場所に行ってみてくださいね。