こんにちは。
明けましておめでとうございます。本年も宜しくお願いいたします。皆さまの2025年が佳い年になりますように。
2025年初出勤の日は冷たい雨が降っておりました。年が明ける前は長い夏からようやく寒くなってきたと喜んでおりましたが、厳しい寒さを感じるとやはり暖かい季節が恋しくもなってきますね。枝の先に膨らんだ芽が開くのを待ちながら寒さを乗り切っていこうと思います。
真の延段を目指して
年末最後の仕事の様子をお届けしたいと思います。
たくさんの石を加工し何やら図面とにらめっこをしています。
お施主様からのご要望で玄関のアプローチに真の延段をつくるために石の配置を確認しているところです。現場が東京になるため、石を予め会社で加工してある程度形を整え現地に持っていきます。
真の延段は自然石ではなく加工された舗石や切石を使用した延段で、真行草の延段の中では一番格式が高いものとされています。見た目の重厚感や直線から成る緊張感のある延段は建物や空間を引き締める要素にもなります。行草の延段のような野趣・素朴さは無いものの、真の延段は背筋の伸びるような雰囲気に空間を持っていくのでお庭を構成する要素として重要な役割を担っていると感じます。
厚み5㎝、大きな石で80㎝を越える大きさのある石ですので、きちんと据えられている訳ではありませんがとても存在感がありますね。一度地面に石を置いて割付を確認しながら加工し調整していきます。切って調整すれば良いのだから行草の延段よりも施工が簡単なのでは?と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、そこに難しさの優劣はあまり無いと感じます。直線の目地が繋がらないように、大小の石のバランスが悪くないように、単調にならないように…等々考えながら施工していると何が正解で綺麗なのかわからなくなってきます。そこを職人同士で確認しながら美しい割付を探っていくのも造園の楽しさのひとつだと思いますけどね。
会長の指導の下少しずつ延段の姿が見えてきた年末でしたが、年始の工事ではいよいよ現場に据え付けていきます。真の延段の姿が実際に空間の中に現れるのでどんな空間になっていくのか楽しみです。
2025年もさまざまなお庭出会うことになると思います。沢山の縁を大切に、お庭づくりに励んでいければと思います。