綴り

山の幸、自然の恵み

作成者: 松本 友香里|2023年04月20日

こんにちは。

事務所から見える中庭では、いよいよ葉量が増え木洩れ日が差してくるようになりました。コナラの葉も次第にピシッと伸びてきて一気に中庭が緑に染まります。苔も新芽がちらほらと見え始め、地面も頭上も緑の世界が始まっています。春の花が咲く鮮やかな光景も好きなのですが、瑞々しい緑に満ちるその次の季節がとても好きです。これから更に季節を追うごとに緑は深まっていくと思いますので、この先の中庭の様子もお届けしていきたいと思います。

 

山の恵みを感じよう

先日私はとある山に山菜採りに行ってきました。その日は生憎の雨模様で、標高があがるにつれて雹も降ってくるような寒い天気でしたが、旬を逃すのは勿体ない!と目を皿にしてさまざまな春の味を探してきました。

山菜を探す道中で出会った数々の山野草にも目を奪われ、カメラを向けたは良いものの、なにせ雨降りの悪天候でカメラがあまり出せず残念でした。

イワウチワと(おそらく)アオイスミレはかなり色々なところに生えていて、イワウチワは群生して山肌にびっしり桃色の花を咲かせていましたので、とても美しい光景でした。薄暗い山の中で桃色の可憐な花がピカピカと光っているようにも見えたほどです。自然の中にあるものを見るとこうした山野草がどこを好んで生えているのか、樹木がどのように下草と共生しているのか、そのようなことがよく分かりとても勉強になります。

ダンコウバイも満開。ヤナギ(?)の花も満開でとにかく山は春の盛りでした。他にもショウジョウバカマやキクザキイチゲなどさまざまな植物に出会い、普段見るポット苗の状態ではなく、その環境の中で生きる姿を見れただけでも山に来た甲斐がありました。

山に生えている樹木は身近な庭や街路樹に使用されるものとは趣がまったく違いますが、等しく春が訪れていることが感じられてとても麗らかな気持ちになります。自然に生えている木はどれも真っすぐなものはなく、山の少しの隙間を木々がせめぎ合い自然の形を作り上げています。私たちがつくるのは庭という暮らすひとびとの気持ちの入った空間ですが、人の立ち入らない山という場所は人の気持ちの介在しない場所です。自然の姿を思い、お客様の気持ちを汲みながら庭をつくるというのはとても難しいことなんだと再認識しました。人と自然というテーマは私をよく悩ませるもののその向き合い方はこれからも模索し続けなければならないと今回山に行き改めて感じています。

肝心の山菜はと言いますと、コシアブラ、タラの芽、コゴミ、ゼンマイ、ワサビ菜など、さまざまなものが採れ無事に美味しく頂きました。