綴り

小さな箱庭をつくる

作成者: 松本 友香里|2023年03月09日

こんにちは。

ミツマタのつぼみとマンサクの花が咲いておりました。こうして早春の花が咲き始めるのを皮切りに、どんどん草木が活発になっていきますね。こうして良い気候になってきたことが嬉しい反面、私は花粉症のせいで目がかゆく、思わず搔いてしまうため涙やけのようになってしまい悲惨な春の幕開けとなっています。写真のように、どんどん草木や花がほころび始め本当に素敵な季節なのですが、花粉症だけは勘弁してほしいものです。

 

小さな庭にも光る技術

先日季節のお花事業部と会長の合作で事務所の玄関前に小さな箱庭をつくっておりました。大きな盆栽鉢の中に山野草や季節の低木を入れ、景石を据付け鉢の中にひとつの庭を表現しています。

ヤマアジサイや小さなマツなどを中心に賑やかに箱庭を仕上げていきます。石の配置や植物の高低差は会長自ら植栽しバランスをチェックしています。線の細い低木たちで構成されていますが、それぞれの樹形が多様なのでとても面白い箱庭が出来上がっています。植栽をほぼ終えたら石の上の土を刷毛で丁寧に落とし、土も綺麗に整地していきます。

土仕上げのままでも十分に良いものが出来ていたのですが、なんと表面は苔で仕上げをしていくそうです。苔をはっていくとどのような仕上がりになるのでしょうか。

苔が入って一気に盆栽の様相ですね。赤いナンテンがよく目を惹きます。また樹形の面白いマツも良い味を出しており、面白い箱庭が完成したと思います。ほとんどが落葉樹で構成されており、もう少しで芽出しの時期なので一層この箱庭が賑やかになってくるでしょう。このような小さな空間でも石の配置や樹木の位置を考えて空間を構成しているのがよく分かります。どんな空間でも技術を使ってより良い質の高いものにすることを心がけて施工していくことが大切ですね。みなさまがもし近江庭園にお越しの際は事務所の玄関でこちらの箱庭がお出迎えするかと思います。是非小さな庭をたくさんご覧ください。