綴り

大きくなる石積み

作成者: 松本 友香里|2022年10月20日

こんにちは。

今年もカリンが豊作です。カリンは実が大きいので、たわわに実っていると木が重そうにしているように見えます。葉も次第に色付き始め、紅葉の季節を迎えています。会社の庭のモミジも徐々に色付き始め次第に秋色です。毎朝夜はとても寒くなってきたので、皆様暖かくしてお過ごしください。

 

石積みの技を発揮

先日こちらの現場の石積みについてブログで書かせて頂きました。こちらの現場も石積みがだいぶ進んできて、そろそろ手だけで積むのは難しい高さになっています。

手で持ち上げるには大きな石では一苦労です。ですが、意匠的にはこの部分に大きな石が欲しい、この部分はこの石でないとはまらない、ということがありますので、そういう場合はユンボで石を吊って慎重に積んでいきます。石を選定しながら積んでいるのでその部分の石は「ここにぴったり」という風にはまっていきます。仕上がりも綺麗に収まっていて気持ちが良いです。ぴったり感も大切なのですが、穴太積(穴太衆が積んだ野面積)を踏襲した近江庭園の石積みでは大きな石と石の間に詰める小さな石も重要です。この石があるのと無いのとでは強固さが違うのは勿論、見た目にも石の野性味が増し、「野面積」としての良さが出ます。

現在はセメントなどの建材があるので強固な石積みをつくることが可能ですが、昔の職人たちはそのようなものが無くとも崩れない堅牢な石積みをつくり城を守っていたという歴史があります。今ではそのようなお城の礎として石を積むことはありませんが、そのような技術が絶えていかないようにこうして建築に石積みを取り入れてもらう機会があるというのは有難いことです。

先人たち、先輩たちの残したものを吸収して今日も近江庭園では石積みを続けていきます。