こんにちは。
あたたかい日が続くなあと思った瞬間にこの雪景色です。2月はあたたかい空気と冷たい空気がせめぎ合い冬と春が交互に攻防を繰り返しているのですね。この写真の日はとても寒く琵琶湖も凍てついているような景色でした。こうして冬の情景として味わうのはとても美しいのですが、実際の交通状況や仕事の進捗を思うと頭を抱えてしまう現実です。
杉皮塀をつくる
今回は、ご自分で茶道のための露地をつくっているお客様からのご依頼で杉皮塀の製作をさせて頂きました。お打ち合わせに行く度にご自分でつくっている庭園が進化をしていて、理想の露地へと探求されている姿に私もお庭に携わる者として姿勢を見習わなければと思うばかりです。
ですが、やはり大掛かりな作業は難しいということで今回ご縁があり近江庭園に塀の製作のご依頼を頂きました。隣地が住宅のため周りの景観を隠す目的と露地に相応しい雰囲気を出す塀をお打ち合わせして、杉皮塀の製作にかかります。
杉皮を張る工程まではずっとお天気がぐずついて後ろの山も雪化粧の日が多かったのですが、杉皮を張る日だけはぴかっと晴れて気持ちの良い日でした。日差しに照らされた削りたての杉皮が輝いております。綺麗な皮目の杉皮で、元々山で生きていた時はどんな木だったんだろうと想像するのも楽しいです。
すべての木材に防腐加工の塗料を施し、大きな笠木も取り付けて腐食しにくくしております。自然素材を使うとどうしても素材の風化は免れないので、なるべく施工の時に予防しておくことが大切だと思います。人口の素材でローメンテナンスを求める方もいらっしゃれば、多少経年で変化があっても自然の風合いを大切にしたいという方もいらっしゃいます。私たちはそのどちらの考え方も大切だと思っておりますので、お客様としっかり打ち合わせして方向を決めていくことができればと思います。
こちらのお庭は露地としてこれから使用されていくので、やはり自然の雰囲気と露地の静謐さを保つための塀ということを意識してスタッフたちも作業に取り組んでいました。杉皮塀は高さもあるので、隣地が気にならない仕様になり空間としてきちんと区切りをつくることができました。
施工完了数日後にお伺いしたら既にご自分でつくられた蹲と立派なナツハゼが植栽されており、私たちが製作した杉皮塀が早速活かされていてとても嬉しい気持ちになりました。ナツハゼの新芽が芽吹き、杉皮を背景として景がつくられていくのが楽しみです。お客様がコツコツと一からつくられている露地に一役買っているようで安心しております。
お客様がこれから更に露地づくりを楽しんでいけるように、私たちも引き続きお力添えできたら嬉しいです。