綴り

お庭づくりの天敵は?

作成者: 松本 友香里|2023年09月11日

こんにちは。

木の上を見上げると立派な青栗が!台風が来る季節になってから暑さも少しずつ和らいできて、朝晩は少しずつ秋の風が吹くようになってきましたね。写真のように秋の味覚も徐々に実ってきて、視覚的にも秋を楽しむ準備が整い始めてまいりました。これから落葉樹たちはどんどん活動が落ち着いてきて夏のような勢いは無くなっていきますが、その落ち着いてきた風情もまた美しいのが秋の良いところですね。まだ残暑が残っておりますが、みなさまも秋支度を始めてみてください。

 

お庭を荒らす鹿

芝生が美しく管理されているこちらのお庭は、お施主様がこまめに手入れを重ね、枕木の中の植栽帯では毎年美しい草花を楽しまれています。毎年剪定にお伺いしているお庭なのですが、今年はある相談があり今まであまりやったことのないお庭づくりの作業をすることになりました。この上の写真の中にもその答えがあるのですが、みなさまその相談とは何だと思われますか?

実は、鹿の食害に関するご相談でした。よく見ると写真に写るアジサイの先端が食べられ、お施主様が泣く泣く剪定した跡が残っております。今年は鹿がつぼみや新芽を食べてしまい、花を楽しみにしていた植物も例年のように楽しめなかったそうです。そこで、毎年剪定にお伺いしている私たちにお声がかかり、どうにか鹿がお庭に侵入するのを防ぐ手立ては無いかとご連絡を頂いたのでした。

そこで私たちはワイヤーを使用した鹿よけの柵を製作することになりました。お庭を綺麗にされているお施主様なので新設する柵もなるべく目立たずシンプルなものをということでワイヤーと元々のフェンスに似た色の材を使用してオリジナルの柵をつくっていきます。

この柵の作業はなかなか試行錯誤で、今まであまりしたことのない作業でしたので「これで鹿は避けてくれるかしら?」と思いながら作業をしていきました。鹿でもさすがに飛び越えられないだろう高さや、ワイヤーの間隔をお施主様とも相談して、尚且つ見栄えもよく仕上げたいとなると、機能面と見た目のシンプルさを両立させるのがなんとも難しいところでした。この柵をしたからと言って必ずしも被害が0になるとは限らないですが、どうにか抑止力になってくれれば…、というお施主様の切なる気持ちも分かるので、私たちの出来る限りのことで対策をしていこうと取り組んでいきました。

お施主様が長年大事に育ててきた草花や樹木が荒らされてしまうのはとても悲しいので、この柵が鹿にとって抑止力となり食害が収まれば良いなと願うばかりです。

お庭仕事にはさまざまな天敵(虫や病気、気候など)がありますが、動物の害も侮れません。みなさまもこのようなご相談がありましたら是非一度お声がけください。動物とお庭両方にとって良い方法がこれからも考えていけたらと思います。